新規就農時の売り先と売り方を検証してみる
就農前に考えることの重要な売り先と売り方を見ていきたいと思います。
生産計画に係る作付けや栽培の段取りはもちろん必要ですが、計画の前に売り先や売り方を想定しておくことも大切です。
まずは作付けの計画についておさらい
野菜の流通は市場を通すことが一般的ですが、近年では直売所やネットショップなど、売り先や売り方が多岐に渡るようになってきました。
産地や品目を調べる際のポイントとして、地域の農協や市場をチェックすることの大切さは以前の記事でも書きましたが、今回は個人販売について考えてみたいと思います。
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//ざっくりと検証
①市場出荷と個人宅配の違いとはなにかを洗い出す
②販売先による手間とコストの違いを、共通経費を固定し比較検証してみる
参考)
タマネギ |
青果➡市場 |
宅配➡個人 |
|
収量/kg |
4000 |
4000 |
|
単価/円/kg |
80 |
200 |
|
売上高 |
320000 |
800000 |
|
栽培原価 |
120000 |
120000 |
|
200000 |
680000 |
||
梱包資材費 |
50000 |
||
運送費 |
10000 |
10000 |
|
受発注コスト |
3000 |
30000 |
|
機械設備費/7年償却 |
100000 |
||
その他経費 |
13000 |
190000 |
|
収穫 |
40000 |
40000 |
|
乾燥・選果・梱包 |
200000 |
||
出荷 |
10000 |
50000 |
|
債券回収 |
5000 |
50000 |
|
人件費 |
55000 |
340000 |
|
営業利益 |
132000 |
150000 |
③単価、売上高や売上総利益(粗利)ではなく営業利益に注目する。
⇒単価、売上高 : 個人流通/市場 2.5倍
⇒売上総利益(粗利): 個人流通/市場 3.4倍
⇒営業利益 : 個人流通/市場 1.1倍
④販売量を増加させるなど、どの程度拡大可能かを調べる
⑤リスクや問題点を想定し追加コストと対策を考えておく
//新規参入時のポイント
新規就農時の売り先の理想は70%〜90%は市場流通(市場農協加工業者卸売含)を利用する方がリスクが少ないと判断している。
相場変動はあるが、手間や品質などを考えると、就農初期は勉強も含めて市場流通を利用して生産技術も高めていくべきでしょう。
経験を積んだのちに、自身の生産や農業に対するポリシーと合う取引先を見つけ、持続可能な農業を目指した関係先の開拓に努め拡大をすすめていくことをオススメします。
個人での流通は商流と物流の両面の確保も必要なため、無理をしない販売方法を構築していきましょう。
by agri mafia 農業マフィア