農業マフィアのつぶやき / 新規就農のすすめ

農業・農村・農家のこと、ときどきロボット。 就農のはてな

営農や新規就農に向けて国や制度資金の情報を収集してみる

情報はどこから集めていけばよいでしょうか。

 

農業関係のホームページや農業法人など農家や農業者の情報を収集することも一つですし、国の制度を調べてみたり金融機関の資金情報も大切なインフォメーションとなりますので併せてチェックをしていきたいと思います。

 

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まずはわかりやすく就農ポータルや各種情報のもととなる農水省で出しているハンドブックがありますので参考にしてみてください。

 

www.maff.go.jp

 

これらの農業や農家を数字や統計で捉えることで、日本を取り巻く現状や、新規就農に係るスタイルや自治体等の支援情報や窓口など、網羅的に情報を集めることができますのでまずは一読必須です。

 

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また事業を立ち上げる場合の必須事項である資金の確保や、起業や経営に係る相談先のチェックなどをしておくとよいでしょう。

 

新規就農や企業参入の際には、重要となる制度資金や支援関係の資金についての情報を、日本政策金融公庫のホームページで見ておくことをおすすめします。

 

www.jfc.go.jp

 

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ここからは現場で必要となる生産、栽培や販売の情報について見ていきたいと思います。

 

前回の記事で地域と品目の調査と決定について書きましたが

 

地域と品目を調べて、まずは一方を決めることから始めてみる - 農業マフィアのつぶやき/新規就農のすすめ

 

こちらでは地域か品目のどちらか一方を決めてみることで、次の一歩に繋がっていくことや、情報収集初期の特徴的なポイントが見えてきたかと思います。

 

次に調べてみることは、どの作物にどの程度手間や時間がかかくかを知っておく必要があります。

 

作物A:出荷方法:売り先:収穫時期など

作物B:出荷方法:売り先:収穫時期など

作物C:出荷方法:売り先:収穫時期など

 

自分なりに調べて気になった地域の産地推奨品目や、その土地で生産高の多い作物に関して、例えば出荷方法を基軸に、売り先や収穫時期を深堀りしていくことで、農産物の商いの流れが見えてくるかと思います。

 

これらは既存の情報が望ましく、その地域の自治体、農業団体、農家や農業法人などから取得するものが主な情報となるため、WEB上での情報収集に加えて、現場に直接足を運んでキャッチしていくことも大切です。

 

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地域と品目を調べて、まずは一方を決めることから始めてみる

農業を生業にしたい、仕事にしたい、と思ったときに何から決めていけばよいのでしょうか。

好きな野菜を並べてみるのも一つですし、売り方や売り先から決めていくのもよいでしょう。

 

まずは地域か品目が決まっている、またはぼんやりとでもこんな農家になりたい、こんな農村で仕事をしたい、などの希望があったりイメージがあることが多いのではないでしょうか。

 

⑴栽培したい品目が決まっている

⑵就農したい地域が決まっている

 

これらの二つのパターンの流れや進め方を見ていきたいと思います。

 

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⑴栽培したい品目が決まっている

 

漠然と決めたのか、好きな野菜なのか、要望がありそうだから、など理由は様々だと思いますが、栽培する主な品目が決まっているなら、その野菜の生産者が多い産地や、目標とする農家や農業法人がある地域を探してみましょう。

 

わかりやすくJAの部会やJAブランドの野菜の出回りなどを調べてみてもよいでしょう。

 

⑵就農したい地域が決まっている

 

Uターンであれば家族や親族がいる地域で就農することになりますので、その土地に決めたのではなく決まっていると言えるかもしれません。

 

Iターンであればその地域で就農したいと思う理由は多岐に渡るでしょう。

 

旅行で行って気に入った場合もあれば、自治体の制度やバックアップ体制が整っていることに惹かれて、はたまた知人がいたり目標とする農家や農業法人がいるなど様々です。

 

地域が決まっている場合は、その地域で生産高の多い品目を数種類ピックアップしてみることや、JAや農協の部会の有無や取扱いの可否を調べてみるのもよいでしょう。

 

または周辺のレストランやスーパーなど、販売先となり得るところが取り扱っている野菜を調査してみると発見があるかもしれません。

 

これらの⑴と⑵をどちらから始めてもポイントは似通っていることがわかるでしょうか。

 

//ポイント

産地を選ぶ

⇒先輩農業者や資材の取引先や専門知識のある関係者が近くにいる

 

目標とする農家や農業法人で修行する

⇒生産から販売まで学べる、また機械や設備の活用の打診も図れる

 

//先人がいるメリット

技術が高い

経験が豊富

知識が深い

施設が集まっている

周辺設備が豊富

機械に詳しい

売り先の確保や販路拡大がしやすい

 

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余談ですが

最近はトマトの新規就農希望や参入が個人でも法人などの企業でも多い印象ですね。

完全にレッドオーシャンになりつつあるので注意が必要かもしれません。

 

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新規就農の流れと方法論②「品目の深掘り⑶」

品目の深掘り⑵からの続き

 

前回の記事はこちらから

 

品目の深掘り⑵品種の選定では、地域や気候によって同じ品種でも播種時期や収穫時期が変わることを見ていきました。

 

また栽培時期による作業の重なりを避けるための品種の選定や他の品目への振替に意識することの必要性を書きました。

 

最後に⑶作業ごとの自分なりの時間の把握についてポイントをお伝え致します。

 

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⑶作業ごとの自分なりの時間の把握

まずはわかりやすい作業をピックアップしてみます。

 

//参考

#キャベツ

播種・育苗・耕耘・元肥・定植・追肥・潅水・防除・除草・収穫・運搬・片付け・撤去

 

草刈りや水路の掃除などその他の作業もありますが、今回は固定作業(固定費のようなイメージ)は省いています。

 

例として播種を見てみます。

 

キャベツは播種道具のポットルなどを使用して種を播いていきます。

 

プラグトレイ128穴に育苗培土を入れて水をしみ込ませ、播種穴あけ器具アクリルプレスなどで鎮圧しながら穴をあけます。

 

種子を入れたポットルをプラグトレイの上に少し浮かせた状態で重ねて、スライドをずらすと128の穴から種子が一つだけ落ちる仕様になっています。

 

その後バーミキュライトなどで覆土をして育苗場所に並べ水遣りをします。

 

128穴プラグトレイの播種作業時間が仮に2分で設定をしてみます。

 

10aで6,000kgのキャベツの収穫を目指すと、1玉が1.2〜1.5kgで計算をした場合に、4,000玉〜5,000玉が必要となります。

 

//参考

#キャベツ

10a

6,000kg ÷ 1.2〜1.5kg = 4,000玉〜5,000玉

5,000玉 ÷ 128穴 = 128穴プラグトレイ約40枚

2分 × 40枚 = 80分(1時間20分)

 

計算では10a当たり播種作業が1時間20分となり、1日8時間では1人で60a(6反)が上限となることがわかってきます。

 

仮に128穴プラグトレイの1枚当たり播種作業時間を3分と5分に設定をすると

 

3分 × 40枚 = 120分(2時間)

5分 × 40枚 = 200分(3時間26分ほど)

 

1日8時間に1人で24a(約2反半)〜40a(4反)となり、一つの作業の作業性だけをとっても1.5倍〜2.5倍の差が出ることが見えてきます。

 

作業ごとの細かい時間がわかってくると、一日に一人でどの程度の作業ができるかが明確になり、それが生産における重要なポイントとなります。

 

生産計画や営農計画の基礎となる作業時間(=コスト)の把握は必須と言えるでしょう。

 

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新規就農の流れと方法論②「品目の深掘り⑵」

⑴からの続き

 

前回の記事はこちらから

 

前回の記事、品目の深掘り⑴で10a当たりの収支が重要なことはお伝えしましたのでざっくりとしたイメージがついてきたのではないでしょうか。

 

わかりやすい例としてキャベツをだしてみましたが、同じような動きとなるブロッコリーやレタスなどを調べてみてもよいでしょう。

 

今回は、⑵品種の選定、について考えてみたいと思います。

 

**

 

⑵品種の選定

味、形状や耐病性など品種を選ぶポイントはいくつかありますがこれらは販売先の好みや要望に合わせて決めていくことになりますので、ここでは作型に絞って見ていきます。

 

播種時期の基準は三つあり、気候により冷涼地・中間地・暖地にわかれます。

 

西日本の中間地を例に出してみます。

 

//参考

キャベツ

彩音

播種時期7/25〜7/31

定植時期8/20〜8/25

収穫時期11/20〜12/20

 

ここで重要なことは定植期間や収穫期間に人手に過不足がでないかどうかです。

 

仮に定植期間が8/20〜8/25の五日間であれば、その日数で植えられる一人当たり株数が決まってきます。

 

同じように収穫期間が11/20〜12/20の一ヶ月間であれば、その日数で収穫できる一人当たり収穫量が見えてきます。

 

また作業の平準化のため12/20以降に収穫ができ上手く作業がリレーできる品種やその他作物の選定も必要となります。

 

//参考

キャベツ

夢舞台

播種時期8/5〜8/10

定植時期8/30〜9/5

収穫時期12/25〜1/20

 

⑶に続く

 

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新規就農の流れと方法論②「品目の深掘り⑵」

色々と調べてみたものの新規就農の流れが見えにくい方が多いと思います。

 

非農家からIターンで農業を始めることは農産物に係る準備と並行して、事業を起こすことやベンチャーを立ち上げる仕組みも必要となってきます。

 

前回の記事で品目の選定が進んできた方は品目をより詳しく見極めて深掘りをしていただきたいと思います。

 

前回の記事はこちらから

 

品目の深掘りについて

 

⑴面積10a当たりの収支

⑵品種の選定

⑶作業ごとの自分なりの時間の把握

 

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⑴面積10a当たりの収支

まずは面積10a当たりの収支=反収(たんしゅう)を調べていきます。

 

//参考

1反(いったん)=10a=1,000㎡

 

10aで収穫できるkg数とkg単価の算出を行い、作物の10a当たりの生産高(売上高)をはじきだします。

 

//参考

10a当たり

収穫kg数 × kg単価 = 生産高(売上高)

 

厳密に言うと収穫kg数を秀品率(商品にできて出荷ができる歩留まり率)で掛けた値を算出します。

 

//参考

10a当たり

収穫kg数 × 商品率 × kg単価 = 生産高(売上高)

 

参考例としてキャベツをあげてみます。

 

//例

キャベツ10a

6,000kg × 80% × 50円 = 240,000円

 

反収で24万円の売上が上がることとなります。

仮に生産原価、人件費や販管費を50%で計算をすると農業所得は12万円となります。

 

単純な計算ですが、月収20万円の年収240万円を目標とするのであれば、キャベツのみで10a1反の20倍の面積が必要な計算となり、農地の確保や面積の拡大に伴う機械や作業場などの施設の整備も進めなければなりません。

 

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⑵⑶に続く

 

 

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新規就農の流れと方法論①「品目と地域の選定」

新規就農に向けて調べている方の中には何から手をつけていいかわからない方が多いことでしょう。

 

まずは新規就農への流れと進め方や考え方を追ってみたいと思います。

 

最初に新規就農を目指す段階で調べなければならないことが二つあります。

 

⑴農産物の品目の選定

⑵就農地域の選定

 

**

 

⑴農産物の品目の選定

農業で事業を起こす時や農家を目指す時に、どのような野菜を栽培するかを明確にする必要があります。

トマトなのかイチゴなのか、はたまたキャベツなのか。営農の元となる作物を選ぶことから始まります。

トマトやイチゴなら通常はビニールハウスが必要となり、キャベツならトラクターなどの大型の機械の調達に加えて育苗トレーやコンテナなどの資材が大量に必要となります。

 

⑵就農地域の選定

メインで栽培したい品目のイメージがついてくるとその農産物の栽培に適した地域を選ぶ必要がでてきます。

生産者、生産ノウハウや流通経路が整っている産地を調べることや、作型を踏まえた気候や土地の調査も行い、また販売方法や販路に見合うような生産地を見極めることも大切です。

 

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方法論②に続く

 

 

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農業のビニールハウスの台風防風対策について

長さが40m〜60mになるビニールハウスでは妻面の補強やビニールの状態の確認が必要となります。

 

片ドアでも両ドアでも強風によりドアが開いてしまわないように木やナルなどの支えとなるものをマイカー線などで縛ります。

 

ハウスの内と外からつっかえ棒のような形でドアを押さえつけ、ドアの地上部には土嚢袋を数個ずつ置くことで重しにします。

 

加えてハウスの上部と側部のビニールの穴や破れなどがないか確認とパトロールを続け、違和感があればビニールハウス用のテープで補強していきます。

 

またビニールを留めているマイカー線を二重にしたりクラスに掛けるなど更なる補強に努めましょう。

 

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