農業マフィアのつぶやき / 新規就農のすすめ

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新規就農の流れと方法論②「品目の深掘り⑶」

品目の深掘り⑵からの続き

 

前回の記事はこちらから

 

品目の深掘り⑵品種の選定では、地域や気候によって同じ品種でも播種時期や収穫時期が変わることを見ていきました。

 

また栽培時期による作業の重なりを避けるための品種の選定や他の品目への振替に意識することの必要性を書きました。

 

最後に⑶作業ごとの自分なりの時間の把握についてポイントをお伝え致します。

 

**

 

⑶作業ごとの自分なりの時間の把握

まずはわかりやすい作業をピックアップしてみます。

 

//参考

#キャベツ

播種・育苗・耕耘・元肥・定植・追肥・潅水・防除・除草・収穫・運搬・片付け・撤去

 

草刈りや水路の掃除などその他の作業もありますが、今回は固定作業(固定費のようなイメージ)は省いています。

 

例として播種を見てみます。

 

キャベツは播種道具のポットルなどを使用して種を播いていきます。

 

プラグトレイ128穴に育苗培土を入れて水をしみ込ませ、播種穴あけ器具アクリルプレスなどで鎮圧しながら穴をあけます。

 

種子を入れたポットルをプラグトレイの上に少し浮かせた状態で重ねて、スライドをずらすと128の穴から種子が一つだけ落ちる仕様になっています。

 

その後バーミキュライトなどで覆土をして育苗場所に並べ水遣りをします。

 

128穴プラグトレイの播種作業時間が仮に2分で設定をしてみます。

 

10aで6,000kgのキャベツの収穫を目指すと、1玉が1.2〜1.5kgで計算をした場合に、4,000玉〜5,000玉が必要となります。

 

//参考

#キャベツ

10a

6,000kg ÷ 1.2〜1.5kg = 4,000玉〜5,000玉

5,000玉 ÷ 128穴 = 128穴プラグトレイ約40枚

2分 × 40枚 = 80分(1時間20分)

 

計算では10a当たり播種作業が1時間20分となり、1日8時間では1人で60a(6反)が上限となることがわかってきます。

 

仮に128穴プラグトレイの1枚当たり播種作業時間を3分と5分に設定をすると

 

3分 × 40枚 = 120分(2時間)

5分 × 40枚 = 200分(3時間26分ほど)

 

1日8時間に1人で24a(約2反半)〜40a(4反)となり、一つの作業の作業性だけをとっても1.5倍〜2.5倍の差が出ることが見えてきます。

 

作業ごとの細かい時間がわかってくると、一日に一人でどの程度の作業ができるかが明確になり、それが生産における重要なポイントとなります。

 

生産計画や営農計画の基礎となる作業時間(=コスト)の把握は必須と言えるでしょう。

 

by agrimafia 農業マフィア

 

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